Amazon読み放題(Kindle Unlimited)という電子書籍の読み放題サービスが始まりました。月額980円で読み放題対応の電子書籍を無料で読むことができます。
もちろん、月額料金を支払っているので「無料」ではありませんが、追加料金なしで読めるので、利用する側の気分としては無料読み放題に近い感覚かもしれません。
そんなAmazon読み放題で電子書籍のビジネスモデルが変わるかも、という大げさな話を書いてみます。
Amazon読み放題で新人や無名の著者にチャンスが
Amazon読み放題は新人や無名の著者に大チャンスです。
これまでのように有料本から選んで購入するスタイルだと、いくら安いからといってポンポン買うわけにはいきません。買う本を厳選していくとどうしても、売れている本や良いレビューの本、有名作家の本になってしまいます。
ところが、無料読み放題では、本を選ぶときに「課金」というハードルがありません。ポンポンとダウンロードしても何の問題もありません。むしろ、月額980円を支払っているのでポンポンとダウンロードしないともったいないくらいです。
そんなわけで、「この作家、知らないけど読んでみようか」の試し読みがドンドン増えます。サンプルをダウンロードするのと同じです。
無料のサンプルをダウンロードするのに「やっぱりやめとこうか」のハードルはありません。とりあえずダウンロードすれば良いだけです。
同じように無料読み放題の電子書籍は、「知らない作家だからやめとこ」のハードルはありません。とりあえずダウンロードしてくれることが期待できます。
もちろん、同時利用数が10冊という制限(執筆時点)があるので、その点のハードルはあるかもしれませんが、「購入」というハードルはありません。
また、内容がつまらなかったり誤字脱字ばかりだったりするとリピートがなくなるのは有料本と同じですが、ダウンロードしてもらうためのハードルがないぶん、無名の作家さんには大きなチャンスだと言えます。
無料でどんどんダウンロードしてもらいましょう!
無料読み放題でもロイヤリティはゲットできる
無料で読まれたからといってボランティアになるわけではありません。しっかりロイヤリティは入ってきます。ただし、売れた冊数ではなく読まれたページ数です。
Amazonは独自の「ページ数」(Kindle Edition Normalized Pages Count:KENPC)を算出しており、「KDPセレクトグローバル基金」という基金から分配される形でページ数に応じてロイヤリティが支払われます。1ページ0.X円くらいという噂です。0.5円だとすれば、1000ページ読まれて500円です。
ちなみに、このページ数は標準の書式設定(フォントサイズや行間など)に基づいて計算されるので、体感のページ数とは異なってくる場合があります。
とはいえ、高いか安いかはともかく、重要なのは無料の本でロイヤリティをゲットできる点です。
もちろん、月額980円を支払っているので「無料」ではありませんが、追加料金なしで無料で読んでもらえる本に対してロイヤリティをもらえる、こんなに美味しいことはありません。
まとめ
電子書籍に限りませんが、値段の付いている本を売って売上になる、これが基本的なビジネスモデルです。
Amazon読み放題が画期的なのは、無料で配布した電子書籍からロイヤリティを得られる点です。大げさに言えば、無料の商品を売って売上を上げられるという新たなビジネスモデルの誕生です。
利用者は無料の気分でダウンロードでき、作者は無料本を提供してロイヤリティもゲットできる。こんな素晴らしいビジネスモデル、乗らないのはもったいないですよ。
もちろん、ロイヤリティで「印税生活」できるのか、それは簡単ではないとは思いますが。
さあ、これまで「どうせ売れないでしょ」と諦めていた方も電子書籍の作成を始めましょう!