本を書こうというとき、どのソフトを使えば良いか迷うかもしれません。
Wordのようなワープロソフトでしょうか。PowerPointのようなプレゼン資料を作るソフトでしょうか。
本の原稿作成には、文字を打ち込む作業とレイアウトがあります。
このうち、原稿をどのように見せるかのレイアウトについては、著者はあまり考える必要はありません(レイアウトに関する本や原稿の場合は除く)。レイアウト作業は、ほぼ、デザインの専門家にお任せすることになります。
(レイアウトも著者が担当する場合もありますが、基本的に、その方がレイアウトを本職とする場合だけです)
本を書く著者は、文字(テキスト)原稿を作成する作業がほとんどです。
したがって、テキストエディタがあれば十分です。
もちろんWordのようなワープロソフトに原稿を入力していくこともできますが、私の場合は、1冊を除いてWord(ワープロソフト)は使ったことがありません。
といっても、テキストエディタで作成する1つのテキストファイルで、書籍の原稿を扱うのは簡単ではありません。単純に考えれば、300ページの書籍のために1万行もあるようなテキストファイルを開いて、構成をつかみながら原稿を入力していくのは至難の技です。
今どこの項目を作成しているのか、項目の前後関係を入れ替えなくて良いのかなど、つかむのも難しいでしょう。
したがって、原稿を作成する目的なら、アウトラインプロセッサという特別なテキストエディタを使うことを強くおすすめします。
アウトラインプロセッサとは、左に原稿の構成がツリー形式で表示され、右側に個別の項目の原稿を入力できる形式のエディタです。
1ページくらいの原稿を入力ではなく「本を書く」ためには、絶対に手にした方が良いです。
実際に私が使っているIdeaTreeというソフトを紹介します。
▼アウトラインエディタ(IdeaTree)のサイト
http://www.dicre.com/soft/itree.htm
左側が構成、右側が原稿です。
こうした「アウトラインプロセッサ」というソフトウェアのおかげで、構成を整理しながら、具体的な項目の原稿を書いていくことができます。
項目の並べ替えや、途中への新たな項目の差し込みなども簡単です。1つのテキストファイルで原稿を管理していたなら、柔軟な原稿の変更は難しいでしょう(通常のテキストエディタでうまく管理している方がいたら恐縮です。あくまで、私のケースです)。
私にとって、アウトラインプロセッサのない執筆生活は、考えられません。特に、このIdeaTreeには大変お世話になっており、これまで書いてきた約20冊の本のほとんどで、IdeaTreeを使って原稿を作成しています。
私の執筆人生は、IdeaTreeに支えられてきたと言っても過言ではありません。
これから、それなりにボリュームのある原稿を作成していきたい方、出版するかどうかは別にして、ぜひ、IdeaTreeを試してみてください。
1つのテキストファイルで原稿を管理しようと思っていた方は、世界が変わるはずです。
原稿作成では、テキスト(文字)情報だけでなく、画像を作成することもありますが、その話は別の機会にします。