以前、本の原稿を書くときにWordはあまり使わないと書きましたが、同じOfficeのソフトウェアの中でも、PowerPointはよく使います。
小説はともかくとして、一般的なビジネス書、技術系の本、ハウトゥー本などでは、文字情報を詰め込むだけでなく、本文の理解を助ける図表やイラストが不可欠です。
文庫本はともかくとして、大きめの判型の本では1ページに1つの図が入るくらいのイメージです。実際、軽く読み進みたい本では、1ページの中に文字がビッシリ入っていると読むのに疲れます。
適当なタイミングで図表やイラストを差し込みますが、執筆が終わってから図を考えるというよりも、執筆中に著者のイメージで「ここに、こんな図を入れよう」ということが多くなります。
そんなとき、文字原稿を入力しながら、PowerPointのスライドにイラストのイメージや、図表のたたき台を作成していくと便利です。
図表やイラストといっても、PowerPointのスライドに本格的な絵を描くわけではなく、線や矢印、テキスト、画面キャプチャなどを使ってラフなイメージを作成していきます。
実際に書籍に差し込むイラストは、原稿を納品した後に本職のイラストレーターさんが作ってくれます。
図表のラフスケッチという意味ではExcelの1シートにまとめて図を入れたり、Wordファイルの中に作ることもできそうですが、PowerPointの1スライドに1つの図を作成しておくのが便利です。後で図の番号を見て修正するもの簡単です。
一冊の本で200枚、300枚の図表を作ることもありますが、PowerPointで1スライド1画像のイメージで作成されていれば、管理に頭を悩ませることもありません。
また、細かい話ですが、PowerPointファイルの中に膨大な図のたたき台を作ったものの「やっぱり本文で使わなくなった」ということもあります。その場合、使わなくなった図をPowerPointファイルから逐次削除することを考えるという頭が痛くなりますが、私の場合は使わなくなった図も一緒に納品しています。「原稿内での指定を優先してください」と伝えておけば、無駄な画像を作成してしまうことも防げますし、「やっぱりあの図を使おう」となったときにも楽です。